アメリカ大統領が広島訪問。アメリカの対日戦略は変わるのか?

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米国のオバマ大統領が、現職大統領として初めて広島を訪問し、原爆慰霊碑に献花をしました。一方で米国の次期大統領候補の一人のトランプは「原爆投下は正しかった」という意味のことを語っていますし、米国からはこの意見のほうが多く聞こえてくる気がします。さて、どちらがアメリカのホンネなのでしょうか?

まず、日本のマスメディアは近現代の歴史に関して、「本質的な話を避ける」傾向があります。たとえば、「現日本国は、政治的にはアメリカの子分のようなものだ。」という政治的事実をそのまま伝えることは避けられる傾向があります。耳をふさぎたくなる話は、マスメディアではあまり流されない傾向があるというとこです。

というのをふまえた上で、原爆投下に関して米国側の視点を解析していきましょう。


まず、アメリカの立場にたって考えた場合「(アメリカにとって)、原爆投下は正しい行動だった」と言わざるをえない立場が一つあります。「核兵器を使ったことで戦争終結が早まり、それによって何十万人もの米兵が戦死せずにすんだ」というのがアメリカ側で原爆投下を正当化する時の主な理屈です。

原爆投下や東京空襲などの米軍の第二次大戦での行動は、数十万人規模の民間人の無差別大量虐殺です。ヒトラーやスターリンが行った虐殺や粛正と同レベルの非人道的な行為です。もしアメリカが戦争に負けていたら、原爆開発を提案する手紙を書いたアインシュタイン博士や実行させたルーズベルト大統領は、「人類に対する罪」などとして復讐裁判で死刑台に送られていたことは間違いないでしょう。

だからこそ、「いや、アメリカ兵の命を守るためにやったんだ!」という正義の理由付けをしないと、精神の平衡を保てなくなるアメリカ人が少なくなくいる可能性があります。また、アメリカの立場で考えれば、日本人数十万人よりもアメリカ人数十万人のほうが大事なのは当然のことなので、「原爆投下はアメリカにとって正しい選択だった」という理屈を批判しすぎるのはあまり賢明ではありません。友達や家族の命と、遠くの国の人の命とどっちが大事と聞いたら、誰だって「友達・家族が大事」となるからです。


とはいえ、現在は米国にとっての日本は同盟国で味方側陣営ですから、あまり冷たくするわけにもいきません。なので、「正義かどうか」みたいなことはさておき、「哀悼の意を表すること」は行う、という妥協できるギリギリの線まで歩み寄りを見せたと評価すべきでしょう。

一方、トランプ大統領候補のように「原爆投下は正しかった」という一方で「日本も韓国もさっさと核武装して、アメリカの手から離れてくれ。そのほうがアメリカの軍事負担が減って助かる」という考え方の米国人もいます。


注意すべきなのは、日本人に色んな考え方の人がいるのと同じように、アメリカ人にも色んな考え方の人がいるということです。オバマは「原爆慰霊碑への献花」という「日本への関与を強めること」をしましたが、トランプは「日本への関与を弱めていきたい」と発言しています。


全世界のガキ大将で居続けたいアメリカ、アメリカ大陸だけの王様であればそれでよいアメリカ、どっちも可能性としてはあるということです。世界志向とローカル志向、この二つの志向で揺れ動くのがアメリカという超大国の特長の一つなのです。

日本国の国際的な立位置から考えると、アメリカの子分的な今の立位置から脱却することを目指す場合は、世界志向よりは地元志向が強いリーダーがアメリカで主流派になった時が最大のチャンスです。アメリカの対外的な影響力が弱くなるタイミングこそ、日本人全体の自立度や自由度を上げていくためには最適なタイミングになることでしょう。

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