どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法 【書評 | 評論】

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ストレッチ・開脚のノウハウ本とみせて、中身の9割9分が自己啓発小説というかなりチャレンジングな本です。何か目的があってからだのパフォーマンスを上げたいと思っている人ではなく、「人生を変える開脚の魔法」的なふわっとした栄養ドリンク的なミニストーリーを期待しているトレーニング未経験者におすすめです。

タイトルが体操のノウハウ本で中身が開脚をテーマにした自己啓発小説、という、東スポ的な「開けてびっくり」なタイトルのつけ方は出版社の戦略的判断でしょうから特に議論しません。

ただ、メインコンテンツの「開脚がテーマ」の小説が、「結論ありきのシナリオ」に見えてしまうため、出来の悪い教育漫画みたいな印象を与えているのがとても残念な部分です。わるい意味で通販番組のお客様の声の劣化版みたいな印象を受けました。

無理矢理小説にしなくても、「70のおばあちゃんも、開脚できるようになった」的な、事実としての体験談をそのまま乗せたほうが面白かったのではないかと思います。

そして、当然ですが「3分で一瞬でペターとなる魔法のストレッチ」的なイージーなものは世の中に存在しません。地味な練習はどんな方法を使った場合でも必要になります。

面白い体操本の特徴

既存の身体運動の本で、書籍で読んで面白い本の特長としては

ユニークな指導理論がある
すぐ実験できるトレーニングがたくさん乗っている
王道的な話だけど一歩掘り下げて解説されている
内容というより作者のキャラが面白いので読んでしまう

などがあります。

例えば、高岡秀夫氏のゆる体操の書籍は、体の弱い人でもカンタンにできる色んな体操が用意されています。

逆に、ややマニアックな体操本ならアイアンガー博士のヨガの本などは、てんこもりな内容で、哲学的な深いい話まで含まれています。

著者のキャラを前に出ている体操本だと、兼子ただし氏のドSなストレッチ本も面白い本の一つです。(面白かったので氏の経営するストレッチの店舗に行ってみましたが、本当にドSなストレッチ指導でいい感じでした)

好みで選べばよいと思いますが、文章で体操の本を読むという場合、作者の独自理論がしっかりとあるものを選ぶと面白いと思います。

体操本の選び方

なお、独自理論がおもしろい本の特徴として、レビューをみると必ず「賛否両論」になっています。ただ、特に身体を使うノウハウの理論化は、人によって「どんな視点で理論化するか」が違います。

意外にあるのが、理論的な完成度が低かったり、既存の業界常識的な理論と180度矛盾するけど、「実践的には使い勝手が良い。(体のパフォーマンスが上がったり、実際に傷みがとれたりする)」というものです。

なので、レビューが賛否両論の場合は「理論としておかしい」的なレビューは気にせず、実際に使ってみて自分の体で(無理のない範囲で)実験してみるのが一番確実だと思います。

あえて言おう、カスであると

なお、「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」の書評に戻ると、身体のパフォーマンスや柔軟性アップに興味がある人には全く役に立たない可能性が高いです。マニュアルや指導法や身体の本ではなく自己啓発小説99%ですので。

マニュアル本として見た場合の評価は「あえて、言おう、カスであると」という評価になります。実は、あまりの内容のなさから逆に興味を持って作者のYoutube動画を見てみたのですが、意外とまっとうな指導内容の動画が上がっていました。開脚がやりたい人は、本は買わずにYoutube動画だけ見てみるのがよいと思います。

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サイトの運営方針は「自分とは何か」「日本文明とは何か」という二つの問いへのインスピレーションを刺激する話をすること。人生で大切にしたい事は「遊び・美しさ・使命・勝利・自由」。 なお、日本的精神文化のコアの一つは「最小の力で最大の成果」だと思う。例えば「枯山水(禅寺の石庭)の抽象的アート表現」などは、良い例。