日本語は論理的である【書評 | 感想】

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題名の通りの本です。「日本語は非論理的な下等言語で、英語は論理的で上等な言語」という明治以来の迷信を信じている人が世の中には少なくなくいます。ただ、実は日本語そのものが非論理なわけではありません。論理的な訓練を受けてない人は論理的になれないというだけの話です。また、英語と日本語の論理は違うというだけの話です。そして、「日本語の論理の基本は形式論理である 」というのがこの本の主なテーマになります。

現行の学校文法では「主語-述語」を文章構造として最初に教えるから「日本語は主語がない非論理的」という印象が生まれてしまう。実際には日本語は「主題-解説」という論理で動くことが多いのでこれから教えるべし。など、面白い内容がたくさん書かれています。

外国人向けの日本語教師の人や、日本人向けの国語教師の人が読んでも楽しい部分がある本だと思います。

そして最近の学校教育では「まともに文章を書かせる練習がされていない。だから、大学に来てからレポートの書き方みたいな授業をしなくてはいけない」という話が書かれていたのには笑いました。

確かに高校までの授業を思い出してみると、国語のテストと言えば「人間的な情操や教養を身につけるというより、決まりきったタイプの解釈を強要してくるもの」はよくありました。が、論文やレポートを書いて添削を受けるという授業は必修科目ではなく選択科目でした。カリキュラムの作り方がおかしいだろうという主張は分かる気がします。

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サイトの運営方針は「自分とは何か」「日本文明とは何か」という二つの問いへのインスピレーションを刺激する話をすること。人生で大切にしたい事は「遊び・美しさ・使命・勝利・自由」。 なお、日本的精神文化のコアの一つは「最小の力で最大の成果」だと思う。例えば「枯山水(禅寺の石庭)の抽象的アート表現」などは、良い例。

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