日本はアメリカの属国? まずは絶望から始めよう

0

ほんの少し政治経済を勉強したら現代の日本人の誰もが認識することがあります。これは左翼とか右翼とか自由主義とか共産主義とか関係ありません。なぜなら単なる事実だからです。日本国は実質的に米国の保護国に等しい状態であるということです。これは本来、中学高校の社会の授業で教えていい程度の客観的な事実でしかありません。

日本国はアメリカの属国状態

「日本は実質的にアメリカの51番目の州である。」というブラックジョークがあります。実質的に、大アメリカ帝国日本自治州のような状況だということです。政治経済に興味がある人にとっては「何をいまさら常識レベルの話」をという話だと思いますが、あらためて考えてみましょう。何をもって属国と呼ぶかにもよりますが、現在の日本国の状況を見ると

*タテマエと編成の上で独自の正規軍を持たず、安全保障の大半を米軍に丸投げしている

(自衛隊の編成は米軍の補助部隊的な編成になっている。是正しようとしてはいるが、変化はなかなか遅い。)

*ゆえに、日本政府はアメリカ政府から強い要請があると基本的に拒否権がない

*日本国の負担で、巨額の米軍駐留経費を負担している。大きい戦争があると米軍の戦費も負担している。

(が、別に米軍は日本の傭兵ではないため、日本のいいように動いてくれるわけではない)

*首都近郊に巨大な米軍管制空域などをとられたままの状態 なので羽田空港と成田空港の使い勝手がひどい

(番犬を置いて犬小屋を貸したつもりが、母屋を占領された状態が長期的に続いている)

*日米安保とセットの日米地位協定という取り決めで、 アメリカ軍の日本国内での自由行動権を事実上黙認している

(安保と地位協定は、アメリカ軍の日本での治外法権を認めている、超のつく不平等条約になっている)

*なので日本駐留の米兵の犯罪行為に対する裁判権もない

(米兵のレイプ事件や殺人事件がよく問題になる。米兵を日本の法律で裁けないからだ。)

*国民の選挙で公正に選ばれた首相が、沖縄の米軍基地をひとつ撤去しようとしたところ、国外はともかく国内の各所から反対の大合唱が上がる

(国家やマスメディアの中枢部が米国属国派に洗脳されているといういい証拠)

*首都近郊に米軍の大兵力が駐留している(横田・厚木・横須賀など)

つまり、米軍は霞ヶ関や皇居に対していつでも大砲を撃ち込める体制を維持している

という第二次大戦の敗戦で占領された状態のままの異常事態が80年近くも続いている事実があります。

こういうことを「異常な状態だろう」と論じている本は多くあります。アマゾンで目に付いたものをいくつか紹介しておきます。

(元外交官の書いてるもの)

(在野の軍事研究者の書いているもの)

横須賀の米軍基地に遊びに行ってみると分かりますが、米海軍の敷地の広大さに対して海上自衛隊の敷地の狭いこと狭いこと。まさに、植民地と宗主国、王様と奴隷、というにふさわしい関係性をそこに見ることができます。

つまり、日本は政治的な目で見ると米国の属国や属州であるというほうが正確でしょう。形式としては独立国家ですが、「大アメリカ帝国 日本自治州」とでも言ったほうが実態に即しています。かつての英国領香港みたいなものです。

 

ただし、一般の米国人は米軍が日本列島でここまでやりたい放題な権利を保持していることは知りません。日本を51番目の州とは思っていません。あくまでこれは政治レベルの話です。

当然、超のつく不平等条約である日米安保改定&地位協定の改定ということは何度も試みられてきましたが、今のところ目立った進展はありません。岸首相の時代からあとは、交渉そのものを諦めたかのようにすら見える進行状況です。

これを戦争に敗戦して弱小国になったので仕方が無いという人がいます。が、それは事実に反する見解です。例えば、イラクを見ると、周辺に事実上の核武装国の潜在敵国(イスラエル)が存在するにも関わらず、敗戦によって米軍に占領統治されるという、第二次大戦直後の日本と似たような状況にあったにも関わらず、無事に米軍撤退と独立を勝ち取っています。

要するに、敗戦から何十年も米軍基地があるままなのは、今の日本の政治のレベルが落ちるところまで落ちているというだけの話なのです。

日本がアメリカの属国では何がヤバいのか?

アメリカの属国でなにがデメリットなのかということを言うような人がいます。端的に解説すると、外国の属国になるというのは、凶暴な独裁君主に支配されているのと構造的に全く同じです。日本国民は、日本の首相は選べてもアメリカ大統領の選挙権は持っていないわけですから。

どうにもならない強大な専制権力としての外国が存在すると、傾向としてざっくりこうなります。

1 「嫌なことを嫌だといえない」が常識になり、過度な形式主義が社会に蔓延します

2 安易に外圧に頼る政治が行われるようになり、政治の自主性が失われていきます

3 本国では決して行われないような残酷な施策が、属国に対しては平然と行われます

外国の属国になった国で暮らすデメリットは、ざっくり言うとこんな所です。

かつての英国領香港と同じで、米国属国の日本は、今までは米軍基地周辺にさえ住んでいなければ、そこそこ暮らしやすい地域でした。が、家畜の安寧・虚偽の繁栄がいつまでも続く可能性などどこにもありません。

アメリカ人に日本人を守るために血を流す義務はない

「安保があれば安心、何かあれば必ず米軍が守ってくれる」というのは生命保険の悪徳セールスマンと同じレベルのブラックジョークです。安保に関して言えば、何かおきた時は、「米国の国益にかなえば米軍は日本を守りますが、そうでなければ米軍は日本を見捨てる」というのが正しい認識です。

ごく当たり前の話ですが、どの国も遠くの同盟国より自国の兵士の命のほうが大事です。もし日本に対してミサイルが降ってきた場合、アメリカは最初の瞬間は同盟を発動するでしょう。が、「アメリカの若者を戦地におくるなー」という声が本国で多数派になったら、同盟をやめて軍を引き上げる可能性は大いにあります。ベトナムがいい例ですが、本国で戦争反対の声が多数派になったら親米政権を見捨てて引き上げる可能性は常にあるわけです。

国際条約などというのは、お互いに利益がある間だけ守られるものであって、片方、特に強い方にとって価値がなくなればあっさり破棄されるという性質をもっています。ここが、日常生活の感覚と政治や外交の世界が異なる性質をもっている部分です。

例えば、第二次大戦の時の日ソ中立条約というのがいい前例です。当時のソ連は西側国境のドイツが怖かったので東側国境の日本と戦わないという約束をしていました。が、そのドイツという敵対国が崩壊して状況が変わったので、ソ連はあっさり条約を破棄して敗戦直前の日本に攻め込んできました。国際条約のもつ強制力などその程度のものでしかないのです。

虚偽の繁栄はいつまでも続かない。真の独立国を目指せ

こういうと日米同盟を破棄せよという主張だと解釈されるかもしれません。ただ、現時点で世界最強の軍事力を持っている超大国と敵対することは得策ではありません。友好関係そのものは継続すべきです。

ただし、「基地やカネの提供 と 核の傘の提供」という取引はさっさとやめてしまって「相互防衛条約」に発展解消して米軍基地のない同盟関係にしていくべきです。

要するに、「米国が攻撃されれば日本は軍隊を派遣して米軍を支援する、日本が攻撃されれば米国は軍隊を派遣して日本軍を支援する」という内容の、普通の軍事同盟にすればいいだけです。日本国憲法の9条は不要な条文ですので、しかるべき方法で破棄すればよいでしょう。憲法というのは国民の生命・財産・自由を守るための手段であって、その機能を果たさない憲法など無用なものでしかありません。

対等な軍事同盟にしたほうが、米国国民にとっては利益大になるでしょうし、日本国民にとっても「米国政府のどんなひどい要求にも、政府が結局なんでもYESと言ってしまう」という巨大な機会損失をリカバリーできます。米軍基地がなくなった分を日本軍を増強して穴埋めすることによる軍事費の負担増など、米国の属領であることの非常に巨大な機会損失に比べれば大したことはないと思います。

戦後日本は軽武装で米国依存だからうまくいったというのは、あまり根拠のある話ではありません。米軍基地を撤去して問題ないレベルの自国軍を持てばアメリカに有形無形の上納金を支払わざるを得ないシーンが減りますので、長期的にみた財政と経済はむしろ健全化するでしょう。穴を掘って埋めるような無駄な公共工事をやる予算はたくさんあるのですから、それを国防費に転用すれば財源的に不可能な話ではないはずです。

親米という名の米国属国化でも親中という名の中国属国化でもなく、独立日本をこそめざすべきでしょう。巨大な外国軍が80年近くも常駐しつ続けているという時点で、今の日本は独立国家としての用件を満たしていません。見たくない現実ですが、そのまま見て、「日本の行く末は暗い」と素直に絶望するほうが健康的です。

健康的に絶望すると、逆に変な感情的な暗さが消えてスッキリします。これは、国事のようなマクロな話でも、ごく個人的なミクロな目標でも同じです。ダイエットをしたいなら、「肥満や過食という病気をほおっておくと苦しい重病に至る」と正しく認識することからはじめなくてはいけないのと同じです。

長くなりましたが、まずはいろんな視点で「変な状態」であることを認識することからスタートしていくとよいと思います。右側の立ち位置からでも、左側の立ち位置からでも。ということで、参考になりそうな資料を最後にあらためて記載しておきます。

(元外交官の書いてるもの)

(在野の軍事研究者の書いているもの)

Notice

最小の力で最大の成果を、和のセンスでインスピレーションを磨く無料メール講座はこちら

Share.

About Author

サイトの運営方針は「自分とは何か」「日本文明とは何か」という二つの問いへのインスピレーションを刺激する話をすること。人生で大切にしたい事は「遊び・美しさ・使命・勝利・自由」。 なお、日本的精神文化のコアの一つは「最小の力で最大の成果」だと思う。例えば「枯山水(禅寺の石庭)の抽象的アート表現」などは、良い例。