純粋にやりたいことだけやっても普通はカネになりません。なので、「やりたいことをやれ!」しか言わない教えは、カスであると言っていいでしょう。もちろん、売れることだけ、求められることだけをやっていても、魂が徐々に死んでいきます。全ての人にとって重要なのは、「やりたいこと」と「カネになること」をうまくミックスさせるという調和の発想です。
「趣味=ビジネス=生きがい」という人は、この悩みと無縁な幸せな人達です。なので、この件に関して生粋の経営者に意見を聞いても参考にならないことが多いと思います。アーティストや文化人的な「カネになりにくいこと=生きがい」にせざるをえない人達の意見も聞いた方が良いでしょう。
多くの人が誤解するのは、「好きなことに生きる」か「カネの亡者」かの二者択一だと思うことです。実際には広大なグレーゾーンがあります。そもそも現代のような資本主義経済の世界で好きなことをするには、ある程度のカネが必要ですし、ある程度のカネを稼ぐためには「ある程度の楽しさ」が必要です。魂が死んでいるままではいい仕事はできませんし、ある程度のお金がないと好きなことはできません。
生まれながらに毎年3億円くらいのお小遣いが入る資産があればキャッシュフローなど気にせずに純粋なやりたいことだけに突き進めばいいのですが、残念ながら私達の多くはそういう気楽な状態では生まれてきません。ある程度はビジネス的なことを考えざるをえない状況にいるわけです。
であれば、なるべく楽しく稼ぐことを意図していったほうがいいでしょう。「人はパンのみに生きるにあらず」ですが「パンも食わないと死ぬ」のは確かなので、なるべく美味しいパンを食べるようにしようということです。
そもそも、「やりたいこと=ビジネスのネタや就職のネタ」という定義をするからおかしいことになるのです。「生きる意味」と 「稼ぐネタ」は分けて考えたほうが正確です。
「稼ぐネタ」と「純粋にやりたいこと」を強引に一致させようとすると、世間的には成功していても中身は機械人形のような目が死んだ人が出来上がります。逆に、この2つを自然に一致させることができると目が輝いた人間らしい美しい人、どこかすごいオーラがある人が出来上がります。
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