伊勢へ参れば朝熊をかけよ、をやってみた

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お伊勢参りのついでに、伊勢神宮とセットで行こう、と江戸時代に言われていた朝熊山の金剛證寺にいってみました。マニアな仏様(雨宝童子)もいるので、珍しいもの好きな人にはおすすめ。陰と陽の両方の世界を体感できるのがおもしろいと思います。

神宮から朝熊山へ

ちょっとした登山をする気がなければ、車でいくのが基本的な行き方です。スカイラインという有料道路で、内宮の前から20分程度ですぐつきます。自家用車がなくても、内宮前からはタクシーもあるのでタクシーも使いやすいです。「内宮→朝熊山→伊勢市駅」というルートだと1万円以内くらいでしょうか。(乗る前にタクシーにご確認ください。)

土日は五十鈴川駅から三重交通で参宮バスも出ているようなので、時間があえばこちらもおすすめです。

朝熊山の解説はwikipediaから引用しておきます

この地方の最高峰の朝熊山は古くから山岳信仰の対象となり、825年(天長2年)に空海が真言密教道場として南峯東腹に金剛證寺を建立したと伝えられている。1392年(明徳3年)に鎌倉建長寺5世の東岳文昱(とうがくぶんいく)が金剛證寺の再興に尽力したため、真言宗から臨済宗に改宗した。

室町時代には神仏習合から伊勢神宮の鬼門にあたる丑寅(北東)に位置する金剛證寺が伊勢信仰と結びつき、「伊勢へ参らば朝熊を駆けよ、朝熊駆けねば片参り」とされ、入山者が増えることになる。戦国時代から江戸時代初期には統治権力が及ばないアジールとなっており、豊臣秀吉の勘気を受けた尾藤知宣の潜伏先として選ばれた。

(wikipediaより)

スカイラインで内宮から朝熊山へ行く途中、看板には「伊勢へ参らば朝熊を駆けよ」でお寺へきてくださいという看板が。そして海がきれいに見えるのでおすすめです。

陰の気と陽の気

伊勢の外宮は食べ物の女神トヨウケを、内宮は太陽神アマテラスをまつりますが、どちらもシンプルで簡素ながら、非常にキラキラした神々しい雰囲気を漂わせています。そのうえ、日本一有名な神社だけあって、だいたい人ゴミで混雑しています。

つまり、神宮だけを参詣すると陽の気だけを大量に浴びることになります。そこで陰陽のバランスをとるために、朝熊山で陰の気をあびておく、という発想はありなのではと思いました。

伊勢の鬼門(丑寅)の守り

鬼門(丑寅=東北)を守る、という発想が日本ローカルの風水にはあります。なぜ東北の方位を凶方位として扱う習慣ができたのかは謎ですが、なぜかそういう風習が生まれていました。たとえば、京都の東北には比叡山がありますし、江戸城の東北には東照宮(だいぶ遠くですが)があります。

そして、鬼門を守るという設定のせいか、お寺の本堂のまえには、牛と虎が鎮座していました。昔の方角の書き方だと「うしとら」=「東北」です。ある種のダジャレです。

神仏習合の仏である雨法童子をまつるお堂もあります。こちらはアマテラスが日向におりたった時の姿とされる、美少年的なアマテラスです。奈良の長谷寺のものが有名です。さすが同体とされるホトケだけあって、雰囲気はアマテラスをまつる神社ととてもよく似ているように感じました。

奥の院のすすめ

そして、このお寺にきたら訪ねておくべきなのは奥の院です。本堂から歩いてすぐの場所なのですが、神聖な雰囲気がただよう墓所をくぐりぬけると奥に虚空蔵菩薩をまつるお寺があります。

高野山の奥の院ほど広大で有名武将のお墓が大量に、という派手さはありませんが、あそこと同じ「独特の神々しい雰囲気」を漂わせるお墓です。

奥の院は隣接していて歩いてすぐいける場所ですので、ここにお参りにいきたら寄っておくといいと思います。

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サイトの運営方針は「自分とは何か」「日本文明とは何か」という二つの問いへのインスピレーションを刺激する話をすること。人生で大切にしたい事は「遊び・美しさ・使命・勝利・自由」。 なお、日本的精神文化のコアの一つは「最小の力で最大の成果」だと思う。例えば「枯山水(禅寺の石庭)の抽象的アート表現」などは、良い例。

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