頑張らないことが美徳である単純な理由

0

恋愛で渾身の思いを乗せて書き上げたラブレターを書けば、口説けるのでしょうか。むしろ思いが強いほど、意味不明な文章になっていくのではないでしょうか。相思相愛であれば 「好きだから混乱してるんだ」と正しく解釈してくれますが、そうでなければ「気持ち悪い・怖い・重い」とふられてしまうだけの話です。

気合いというのは、「適度な入出力レベルを維持すること」が重要であって「入れれば入れるほど、成果が高くなる」ということは全くないのです。「気合いを入れれば、うまくいく」「努力して頑張れば、うまくいく」というのは単なる幻想です。「必要なことをやれば、うまくいく」というのが正しい認識なのです。

むしろ無駄な力を入れれば入れるほど、成果には結びつきにくくなると思います。武術やスポーツなどの経験者はこういうことを体感的に理解していると思います。体を動かすことは「適度なバランスで力を入れること」が重要なのであって、「ひたすら気合いを入れていれば動けるか?」といったら「動けない」わけです。

たとえば、二の腕にちからこぶを作ろうとして腕に力を入れまくってみてください、それ以上動かせないと思います。武術でもスポーツでも実際には手を動かします。「自由に動ける範囲」で力を入れる必要があるわけです。

「気合いだけで、人の気持ちを動かせるなら苦労はない」という当たり前の話です。暑苦しく語ったり、丁寧に説明したり、それだけで人が動くのであれば、世の中の多くの社長の悩みの多くはあっという間に消えてしまうでしょう。

気合いを入れすぎると体がガチガチになってかえって動けなくなってしまいます。気合いと感情が高まっている時こそ、力を抜いたほうが「やるべきことをやること」に意識を向けることができるようになります。

また、だいたいの物事は長期戦ですので、1日2日だけ気合いを入れても意味がありません。継続的にプロジェクトに取り組むには、「徹夜!徹夜!」「24時間働け!」みたいなノリを排除することが重要なわけです。

Share.

About Author

サイトの運営方針は「自分とは何か」「日本文明とは何か」という二つの問いへのインスピレーションを刺激する話をすること。人生で大切にしたい事は「遊び・美しさ・使命・勝利・自由」。 なお、日本的精神文化のコアの一つは「最小の力で最大の成果」だと思う。例えば「枯山水(禅寺の石庭)の抽象的アート表現」などは、良い例。

Comments are closed.